2024年12月2日以降、新規の健康保険証発行が廃止されることが決定しました。
今後、保険証利用の登録をしたマイナンバーカードを保険証として活用することになりますが、これに先立ち、事前に協会けんぽから事業所宛に、被保険者及び被扶養者(ご家族)様全員分の「資格情報のお知らせ」が送付されております。どのような目的で、事業所に届くのかを確認しておきましょう。
◆「資格情報のお知らせ」とは?
資格情報のお知らせ」は、健康保険被保険者及び被扶養者に関わる基本情報が記された書面です。具体的には、記号番号枝番、氏名フリガナ、生年月日、負担割合、資格取得年月日、保険者名の各項目が印字されています。
マイナ保険証を利用する場合、健康保険加入情報はマイナポータルから確認することになりますが、「資格情報のお知らせ」として書面でも提示されると考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
詳しくはこちらhttps://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/event/MN2409oshirase1.pdf
◆「資格情報のお知らせ」の活用シーン
① 給付金申請時の必要情報の確認
健康保険の各種給付金等の申請時には、健康保険の記号・番号を記入する必要があります。しかしながら、従来の健康保険証とは異なり、マイナ保険証にはこれらの情報の記載がなく、マイナポータルから確認する必要があります。この点、「資格情報のお知らせ」が手元にあれば、その場ですぐに健康保険証の情報を確認できます。
② 医療機関等の受診時に、マイナンバーカードと併せて提示
オンライン資格確認システムを導入していない医療機関や健診機関等でも、「資格情報のお知らせ」とマイナ保険証を併せて提示することで受診できます。
◆「資格確認書」との混同注意!「資格情報のお知らせ」のみで医療機関等を受診することはできません。
1点注意すべきは、今回、各事業所宛に送付される「資格情報のお知らせ」のみで医療機関を受診することはできないという点です。前述の通り、「資格情報のお知らせ」で保険診療を受けられることとするのは、あくまでマイナ保険証の利用ができない医療機関等での受診時に、マイナ保険証と併せて提示した場合に限られます。もっとも、厚生労働省は医療機関等に対し、すでに2023年4月より、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるシステム(オンライン資格確認システム)の整備を義務化としています。よって、「資格情報のお知らせ」とマイナ保険証の提示での受診はかなり限定的な例と言えそうです。
マイナ保険証を持っていない被保険者に対しては「資格確認書」が交付され、従来の健康保険証同様に、これ一枚で医療機関を受診できます。
◆「資格確認書」の交付を受けるには?
現状、マイナンバーカードを持っていない、もしくは保険証利用の登録をしていないという方にとって、今後健康保険証が廃止されることは大きな不安要素となり得ます。ただし、このような方に対しては保険者から「資格確認書」が発行されます。
以下は、協会けんぽでの「資格確認書」発行ルールです。
◎新規加入者
資格確認書は、2024年12月2日以降、資格取得届などによる本人からの申請に基づき、会社を経由してマイナ保険証をお持ちでない加入者に発行します。
※新規加入時に申請がなかった方でマイナ保険証をお持ちでない方などには、申請によらず資格確認書を発行しますが、相当な期間を要することから、資格取得届の提出時の申請が望まれます。
◎既存加入者
2025年12月2日以降、保険者が必要と判断した場合に資格確認書を発行します。
※マイナ保険証をお持ちでない方、マイナンバーが未登録の方などに発行します。
ちなみに、発行済みの健康保険証は、2024年12月2日以降も当面(最大1年間)は利用可能となっています。
健康保険証の廃止に際し、企業は従業員に対して必要なアナウンスができるように、今後の流れを正しく理解しておきましょう。